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読書会よろず小屋2018年9月例会の報告(9月22日:吉村昭『関東大震災』文春文庫)

 読書会よろず小屋9月の例会は、2018年9月22日(土)にルノアール大久保店マイスペース会議室で行なわれました。8名の方々が出席され、にぎやかに意見交換しました。

 今回は、例会に先立って有志による被服廠跡見学ツアーが行われ、それを踏まえた議論であったため、より実感のこもったものになったように思います。

 今回のテキストは、吉村昭『関東大震災』(文春文庫)。



 最初にレポーターから以下の4つの柱にそって本書の要点と問題提起がなされ、それを受けて自由に意見を交換しました。

  1. 二人の地震学者の確執:科学と社会との関わり方はいかにあるべきか
  2. 忘却された教訓:火災被害の記憶は継承されたか
  3. 日本人の心に潜む闇:朝鮮人虐殺を今どのように受け止めるべきか
  4. 火事場泥棒と大杉栄事件:被災時の犯罪と弾圧の可能性をどう見積もるか

 以下に論点をいくつか抜粋して紹介します。

  • 江戸時代の大火の経験は生かされなかったのか。
    →東京大空襲でも同じ地域が焼かれている、これは偶然?
  • 二人の学者(大森と今村)との対立には、科学者の発言を許さない社会の圧力を感じる
    →東日本大震災・原発事故のときにも同じようなことがあったのではないか。
    →今村はマスメディアとの距離のとり方がわかっていなかった、というかマスメディがそもそも新しいものだった。
    →マスメディアの方も写真の捏造など今では考えられないようなことをいろいろやっていた。
  • 朝鮮人虐殺は、自分たちも加害者の側に回りかねないという思わせる怖さがある。
    →震災後、自警団を作るといわれたら反対できるだろうか。
    →逆に朝鮮人を守ろとうした地域もある。その違いはどこにあったのだろう。
    →ネットの拡散力を考えると、今のほうがさらに怖いとも感じる。
  • 最近の大きな震災(東日本、熊本、大阪、北海道等)を考えると、少しはよい方向に変化したと言えるのだろうか。
    →ネットは偽情報を拡散もするが、偽情報を無効化する力も高い。
    →人権意識は高くなっている?暴力への心理的な敷居が以前よりも高くなっている?
    →ニューヨークでの停電を経験したが、以前の停電時(略奪などが頻発した)に比べてはるかに秩序だった反応だった。
  • 関東大震災があっても東京の魅力は大きかったということか。被災地から人がいなくなることはなかった。
  • 明治時代の水道管システムはどうなっていたのだろう。
    →そもそも明治時代の都市計画はどうなっていたのか(あったのか)。
  • 東京直下型地震の死者推計は23000人だそうだが、これは小さすぎるのでは。

関連文献
 二人の地震学者の確執については、吉村昭に触発されて書かれたという以下の書にさらに詳しく描かれています。



 次回例会は、10月27日(土)18時より、ルノアール大久保店マイスペース会議室で行ないます。ご案内はこちら
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