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読書会よろず小屋3月例会の報告(3月18日:堀江敏幸『いつか王子駅で』新潮文庫)

 3月例回は広報担当である私が出席できなかったため、参加者のWさんに報告をお願いしました。Wさん、ありがとうございました。

 以下、Wさんによる報告です。


 読書会よろず小屋3月の例会は、3月18日(土)にルノアール大久保店マイスペース会議室で行なわれました。7名の方々の参加がありました。

 今回のテキストは、堀江敏幸さんの『いつか王子駅で』(新潮社文庫)



雑誌「書斎の競馬」に第1章から第7章までが連載され、第8章から第11章は書き下ろしです。

レポーターにとって、通学に使っていた都電は非常に懐かしいものであり、この小説に流れる空気を
読書会のメンバーにも味わってほしくて取り上げました。
レポーターを含む3名で、読書会当日の昼間に街歩きの一環として小説に登場する品川の大学を訪問し
鯨の骨格標本やマルちゃんの自動販売機がキャンパス内に現在もあることを観てきました。
レジュメは、小説のなかでレポーターが好んでいる部分を抜粋し、章ごとに並べたものです。

意見交換の一部を抜粋します。

  • 王子には土地勘があるが、この小説で読むと大変お洒落な雰囲気で、堀江さんのフィルターを通すとこんなに違ってくることに驚く。
  • 札幌やドイツ、アメリカのような雰囲気。
  • 主人公は、週に一度の非常勤講師と翻訳の仕事をして生計を立てており、翻訳のウェイトが大きいのだろうが、週に一度の非常勤講師で生活できると読者には思ってほしくないと感じる。
  • 主人公は歳が若いのに、古い物を好むなど、趣味を貫き通している。(古米や古々米も好きだし)
  • 自分流の生き方を守っていられるのは、彼らが自営業や自由業、職人だからではないか。
  • 登場人物たちは、職人のようというか、生産性をただ上げるための仕事・産業とは無縁。
  • 現代は、職人の仕事がどんどん奪われている。職人だけでなく、公務員もシステムの導入によって仕事がなくなっている。
  • AIには奪うことができない、その人にしかできない仕事や・技術を持った人たちが、こういう生活を送ることができる。
  • 確かに、正吉さんのはんこは、ロボットには作れないだろう。
  • AI技術そのものが、当初使い物にならないと思われていた。(ディープラーニング)
  • 何が役に立つのか、誰にもすぐにはわからない。充分なデータがないうちに意思決定をしなくてはならないので、洞察力が必要になってくる。
  • 主人公の持つ趣味を楽しむ小説だと感じる。ある意味、スノッブな小説。
  • あくせく働かなくても食うに困らない登場人物たちがうらやましい。派手な生活はしていないが、彼らの生活は優雅ですらある。
  • 適当に趣味を楽しみながら生き、老いていく人生。
  • 身体と心が、同時並行で朽ちていくのが理想的だが、願ったからといって実現するかはわからない。
  • AIが人間の仕事を奪っていき、仕事(賃金)が少なくなっていくのでそれを補うためベーシックインカムが導入される。
  • ベーシックインカムが導入されたら、こんな風に生きていけるのかも。
    →ここからしばらくベーシックインカムについて、もらえるとしてもおそらく7~8万円くらいではないか、それでは生活できない、あくまでも補助である、などの話が出ました。
  • 小説に出てくる食べ物がおいしそう。食べたい。
  • 全体的にオチがなく、伏線が全く回収されないので、とまどった。正吉さんは後半全く出てこない。→純文学はそんなもの、という意見あり。
  • 堀江さんの『その姿の消し方』という小説は、作者が国費留学していた頃を描いており、これも非常におすすめです。と、レポーター以外の参加者からも紹介していただきました。



       次回例会は、4月29日(土)18時より、ルノアール大久保店マイスペース会議室で行ないます。ご案内はこちら
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