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読書会よろず小屋2月例会の報告(2月18日:吉田満『戦中派の死生観』文春学藝ライブラリー)

 読書会よろず小屋2月の例会は、2月18日(土)にルノアール大久保店マイスペース会議室で行なわれました。今回は9名の方々が参加され、楽しく意見交換をしました。

 今回のテキストは、吉田満『戦中派の死生観』(文春学藝ライブラリー)。



報告者から内容の説明とコメントの提示があり、その後、全員で議論をしました。論点をいくつか紹介します。

  • 禁書が多かったという話が出てくるが、禁止を行なっている上層部は何を読んでいたのか。
  • 戦後30年の沈黙に考えさせられる。
    →詩の世界では戦後派の詩人(『荒地』の同人、田村隆一など)が1970年代に逆に沈黙していく。この逆転をどう考えるか?
    →うたごえ運動や、戦後の詩のサークル運動も1970年代入る直前に急速に衰退していく。その並行性が興味深い。
    →1970年代にトップが明治生まれであったこととの関係
    →語れないのはある種のトラウマだと思うが、これを語れるようにすることはほんとうに「癒し」「治癒」なのか?
  • 原爆の語り部が1985年に開始されたことを思い出す。
  • 個々の兵士の戦争責任をどう考えるか。
    →戦争を憎悪しつついかにしてまじめな兵士であり得るのか? 先輩への憧れ?
    →保阪正康も似たような議論。疑似家族、擬似共同体を形成し、そこに巻き込まれてあることが重要では。
  • 赤坂真理の『東京プリズン』の一場面(インディアンの仮装をしていった赤坂が周りを困惑させる)を思い出す。
  • 歴史における宗教、神秘体験。
  • 軍隊生活は運動部の合宿のようなある種の楽しさ・高揚があったのでは?
    →加えて災害ユートピアならぬ、戦時ユートピアのようなある種の共感関係があったのかも。
  • あらくれものを吸収し、非武力化する機能をスポーツが持っているが、軍隊もまたそうであるということか。
  • 著者が日銀に勤務したように、戦後の日本の経済成長の陰には軍隊から社会の各所へ人材を配置し直す過程があったのだろう。
    →軍隊は終戦までは飢えないための手段でもあった(映画『拝啓天皇陛下様』)。


関連文献
 言論統制の当事者がどのような文化生活を送っていたのか、そのいったんを知ることができる一冊。



 次回例会は、3月18日(土)18時より、ルノアール大久保店マイスペース会議室で行ないます。
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