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読書会よろず小屋10月合宿の報告(10月1、2日:吉村昭『闇を裂く道』文春文庫)

 読書会よろず小屋の10月例会は、10月1日、2日に合宿形式で行われました。当ブログ管理人は残念ながら参加できなかったのですが、参加者のWさんとKさんとから内容のご報告をいただきましたので、そちらを掲載させていただきます。Wさん、Kさん、ありがとうございました。

 まずはWさんからのご報告(個人名などを適宜修正させていただきました)。

10月1日と2日、よろず小屋の合宿が熱海で開催されました。6名が参加して観光と読書会を楽しみました。

2名は赤羽から上野東京ラインを使い、川崎駅で1名が合流し、熱海を目指しました。

根府川駅で途中下車し、改札内の慰霊碑に手をあわせました。
慰霊碑の隣に池が作られていて、金魚がたくさん泳いでいました。
池に近づくと、ごはんをもらえると思うのか、一斉に金魚がこちらに向かって泳いでくる様子がとても愛らしかったです。池の水は澄んでいて、ポンプで酸素も供給されており、よく手入れされていました。
白糸川橋梁という赤く塗られた大きな橋を観ました。戦前に造られたものだそうです。
橋梁の近くにある釈迦堂にお参りもしました。
黒揚羽と、蜘蛛がたくさんいました。
真っ赤な彼岸花に黒い揚羽蝶がとまっている様子が綺麗でした。
周辺の樹木や電線には、何匹も蜘蛛が巣を作っていました。
釈迦堂のそばでは今まさに巣の横糸を張っている大きな蜘蛛がいて、3名ともしばし、蜘蛛観察をしました。

海岸におりると、波にもまれてすっかり丸くなった石がゴロゴロと積み重なっていました。
海岸までの道もかなり脚力が必要でしたが、歩きづらい丸石の連なりを踏みしめながら歩くのはけっこう楽しかったです。

お昼ごはんは、熱海の「だるま」で、ざるそばと、かます天丼と、あら汁をいただきました。
どれもとてもおいしかったです。
遅いお昼ごはんを夢中で食べる3名のところに、Kさんが合流して4名になりました。その後、Iさん、Krさんが合流。
ホテルでの晩ごはんは、ビュッフェ形式で、どの料理もおいしいと好評でした。お寿司が特に人気でした。

読書会は、帰りの電車を気にしなくて良いので、いつもよりゆったりした雰囲気でした。
吉村昭『闇を裂く道』について、議論をしました。


  • 丹那トンネルの開通によって、どれぐらい便利になったのか、コスト(事故死、渇水問題などを含む)
    とベネフィットをどう評価するか。
  • 科学者、技術者と、一般の人とのコミュニケーション問題
  • どのような場合に、技術の進歩を思いとどまるべきか。
  • ズリ出し(トンネルを掘った土を坑外に出す)に牛馬を使用しているが、馬は暗闇に怯えてしまうが、牛は闇を恐れず進むので重宝がられた、という描写がいかにも吉村昭らしい緻密さである
  • 村の竜力者が鉄道省に嘆願に行くときに羽織袴で正装しているところが印象深い
  • 落盤事故で、空気を吸おうとして亡くなった遺体の鼻が欠けているという描写が非常に恐ろしい

などの意見が出ました。

二日目は初島に行けることになり、「イルドバカンスプレミア」という真っ白なフェリーに乗って島に渡りました。
カモメが何羽も、船の後をついてきました。
投げられる餌を空中でキャッチし、大きな翼を広げて飛び、時々海面で休む。
餌目当てというよりも、船上の人間と遊びたがっているような印象を受けました。
初島の港について、岸壁から覗き込んだ、澄み切った海水の中には鮮やかな青色の小さな魚がたくさん泳いでいました。
初島で、お昼ごはんをいただきました。海産物がどれもおいしかったです。
初島散策をしていると、民家の前に茶色の猫がいました。青い首輪をしていました。
呼びかけると近寄ってきて、しばし一緒に遊びました。
後日、調べたところ、初島の猫は人間の都合に翻弄され、数年前までは餓死寸前だったということです。
現在の、栄養状態もよく、人懐こい猫の様子からは想像できない惨状だったようです。
帰りのフェリーにも、カモメが何羽もついて飛んできました。
乗客が投げる煮干しを空中でキャッチしている姿が格好良かったです。

帰りの電車でも上野東京ラインのグリーン車に乗ったので、ゆったりとして快適でした。
一人、また一人と、それぞれ電車を降りて帰っていきました。

おいしい物を食べて、おしゃべりを楽しんで、たくさん歩いて、金魚やカモメや猫の可愛らしさに癒された旅でした。
合宿に参加できて良かったです。企画者・参加者さんたちに感謝。
良い旅でした。


 つづいてKさんからのご報告です。

 まず、午前中に三名が東京に集合して熱海に向かいました(途中、根府川駅で降りて周辺を観光したとのこと)。
 夕方に熱海でさらに三名が合流、温泉に入り、夕食後に例会となりました。

 例会では、まずレポーターから、箱根周辺の地図とともにテキストの概要と問題提起が示され、それを受けて参加者によるディスカッションがありました。主な論点を記しておきます。

  • 丹那トンネルの開通によってどれぐらい便利になったのか。コスト(事故死、渇水問題などを含む)とベネフィットをどう評価するか。
    →着工から開通までに十数年が経過しており、その間に社会情勢も鉄道の技術も変化している(御殿場線の勾配も、現在の技術水準でならそれほどの障害ではない)。当初見込まれていた効果と、結果的に得られたものが変わってしまっている可能性はある。
    →工事に携わった作業員にとってはどうだったのか。不況につけ込んで危険な仕事をさせられたと見るべきか、長期にわたる雇用創出のチャンスだったと見るべきか。
  • 科学・技術者と一般人のコミュニケーションの難しさ
    →他国と比べても、日本では特にポピュラーサイエンスが弱いのではないか。
    →専門家どうしでも、専門領域が違えば話が通じないことも多い。
  • どのような場合に技術の進歩を思いとどまるべきなのか
    →技術的な要因だけでなく、政治的な要因もあるのではないか。
  • 作業員の人命が現在よりも軽く扱われているように思える
    →しかし行方不明者の捜索・救助に懸命になる場面もある。
  • 専門家の間でも賛否が分かれる中で、見切り発車的に工事を開始したような印象。
    →当時の技術水準では想定不可能な要素もあっただろう。
    →原発問題などを考えると、現在でもありうるのではないか。

 翌日は熱海観光。海岸を散策したり船で初島まで行ったりしたあと夕方に解散となりました。
 せっかくだからと丹那トンネルを見に行く計画もあったのですが、時間が取れず断念。次の機会があれば、ということになりました。

 次回例会は、11月19日(土)18時より、ルノアール大久保店マイスペース会議室で行ないます。ご案内はこちら
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