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読書会よろず小屋7月例会の報告(7月23日:メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』創元推理文庫)

 読書会よろず小屋7月の例会は、7月23日(土)にルノアール大久保店マイスペース会議室で行なわれました。今回は10名の方々が参加され、熱心に意見を交換致しました。

 今回のテキストは、メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』(創元推理文庫)。



またサブテキストとして廣野由美子『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』中公新書が用いられました。

 報告者からまず物語の概要の紹介があり、ついでテキストの形式についての諸概念およびいくつかの批評理論の解説がなされました。その上で報告者ご自身の読解が示されました。すなわち「視覚優位の感覚において美醜という軸に貫かれた物語である」。この読解をテキストの詳細な解読を通して示していくという形で報告は進められました。その後、報告者の読解を土台に各自の読みを提示しながら意見交換を行いました。以下に論点の一部を抜粋します。

  • 児童書では美醜の強調が少ないように思われた。道徳的配慮か?
  • 原作と映画とがだいぶ違うので、その違いがどのようなもので何によるのかが興味深い。
  • メアリー・シェリーの出産の状況が過酷であり、その影をいたるところに見いだすことができる。
  • 産業主義への恐怖が描かれていると読んだ。たしかにこの時期はラダイト運動の時期と重なっている。
  • ブロンテの小説などと比較したらおもしろそう。ゴシックなのにより日常的な文体になっていて独特の趣がある。
  • 英語で読むと語彙や表現が難しい。
  • 映画『ターミネーター』を思い出させられた。
  • 人間と見分けがつかないほうがこわいかもしれない。恐怖の谷か?他方、崇高なものとしての怪物という批評もあるそうだ。
  • 石ノ森章太郎の『人造人間キカイダー』(原作)を思い出した。そういえば同じ時期にデビルマンや仮面ライダーも書かれており、時代背景があるのか。
  • 醜い外見の重要な要素として皮膚の汚さがあるのではないか。
  • 人種差別を思わせる表現があり、帝国主義・植民地主義の政治的な文脈を思い出させられる。
  • 学校でつけるべき「読む力」というのは、今日のような議論ができるようになることだと思うが、どこまで学校で教えることができるのだろうか。

関連文献
 討論の中で参照された筒井康隆さんの小説です。後者に収録された「ポスト構造主義による「一杯のかけそば」分析」は笑いなしには読めません。

筒井康隆『文学部唯野教授』 (岩波現代文庫)


筒井康隆『文学部唯野教授のサブ・テキスト』 (文春文庫)

 次回例会は、8月27日(土)18時より、ルノアール大久保店マイスペース会議室で行ないます。ご案内はこちら

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