FC2ブログ

読書会よろず小屋10月例会の報告:クチンスカス『愛は化学物質だった!?』

 読書会よろず小屋10月の例会は、10月25日(土)にルノアール大久保店マイスペース会議室で行なわれました。7名の方々が参加され、なごやかに議論をしました。

 今回のテキストはクチンスカスさんの『愛は化学物質だった!?』。

愛は化学物質だった!? 脳の回路にオキシトシンを放出すればすべてはハッピー愛は化学物質だった!? 脳の回路にオキシトシンを放出すればすべてはハッピー
(2014/02/28)
スーザン・クチンスカス

商品詳細を見る

 レポーターからレジュメに基づいて本書の概要を紹介していただきながら、あわせて化学物質の働きについても解説をしてもらいました。その後、化学物質の効果から世界観のありかたにいたるまで様々な意見が出されました。一部を抜き出して以下にあげてみます。

  • 神経伝達物質とホルモンとは、最初に発見された機能とは別の働きを持つことが分かって研究者を驚かしたりすることがある。もともと子宮収縮ホルモンだったオキシトシンはその典型。
  • 育児の様式が親子で連鎖するというのはどの程度までそうなのか。動物実験から人間について推測することがどの程度許されるのか。逆に人間の社会的あるいは文化的な要因はどの程度の働きを持っているのか。
  • 本書はずいぶん思い切った書き方をしている部分があるが、科学ジャーナリズムとの関係を自然科学系の研究者はどのように考えているのか。
  • 因果関係と相関関係との区別は重要だが、この本で扱う領域の場合、後者を動物実験で確認しようとする傾向が強いように思われる。
  • 読者はしばしば何らかの問題についての具体的な解決法を求めている。本書において解決を提示している部分が、他の部分と異なって、実験等の強い根拠を持っていない点に注目すべき。
  • 神経科学は宗教は文学、哲学等(文学部的なるもの)に取って代わる日はくるのだろうか。
  • 男女の違いについて、本書のような議論と社会、文化、習慣等とのどう考えるべきか。
  • 社会への過剰適応と反動としてのそこからの離脱、という発想は、例えば中島梓の『コミュニケーション不全症候群』と同型。
  • 自分はブルーバックスの『素粒子』を読んで世界観の基本を形成したような気がするが、ほかの人はどのように世界観の基礎を作るのだろう。素粒子と進化論、神経生理学とでは、形成される世界観もだいぶ違うような気がするが。
  • 遺伝子もコンピュータも半世紀前にはこれほど日常化していなかった。これから普及していく新しい科学知識や技術はどのように人々の世界観を変えていくのだろう。

関連文献
 途中で言及された中島梓さんの著作。用いられているレトリックは進化論的なそれだと思います。

コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫)コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫)
(1995/12)
中島 梓

商品詳細を見る

 次回例会は、11月8日(土)18時より、ルノアール大久保店マイスペース会議室で行ないます。ご案内はこちら
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yorozugoya

Author:yorozugoya
 読書会よろず小屋のサイトです。都内で月に一回読書会を行っています。オープンな読書会ですので、興味のある方はのぞきにきてみてください。詳しくは下記のエントリをどうぞ。



次回の例会についてはこちら。

・次回例会のご案内

また、連絡用掲示板、Twitterアカウントはこちらになります。

・よろず小屋掲示板
・読書会よろず小屋 yorozu_goya

最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR